
□ かいせつ ● たわみ曲線、たわみ角、曲げ剛性
| たわみ曲線とは、「曲げモーメントおよびせん断力によって変形したは
りの軸線の形」のことで、弾性曲線または弾性線ともいう。 たわみ角とは、「たわみ曲線上の一点に引いた接線が、変形前のはりの 軸線となす角」である(図2)。 曲げ剛性とは、「はりの縦弾性係数と断面二次モーメントとの積」であ り、この値が大きいほど、はりは曲がりにくい。 |
□ 関連事項 ● せん断力によるはりのたわみ
| はりのたわみは、せん断力によっても生ずる。しかし、一般にはせん
断力によるはりのたわみは、曲げによるたわみより小さいから考える必 要はない。ただし、必要なときには、はりの中心線上のある基準点から の距離χにおけるせん断力によるたわみδは、χ= 0 におけるせん弾力 によるたわみをδ0〔mm〕、はりの材料の横弾性係数をG〔MPa〕、せん 弾力をF〔N〕、はりの断面積をA〔mm2〕として、次式により求める。
2)。 |
5−2、衝撃荷重による応力
衝撃荷重による応力; 衝撃荷重とは急激に加えられる荷重のことで、衝撃荷重によ
る応力は、次の二つの仮定のもとで求める。
(1) 物体に衝撃荷重が作用する場合、外部から与えられるエネルギー
全部が物体のひずみエネルギーに変わるものとする。
(2) 物体の衝撃荷重に対する抵抗がフックの法則に従うものとする。
□ かいせつ ● 衝撃引張応力とその際に生ずる瞬間的最大伸び
| 図1のように、長さ l 〔mm〕、断面積
A
〔mm2〕、
縦弾性係数 E 〔MPa〕の一様断面の棒の上端を固定 し、重さ W 〔N〕のおもりを h 〔mm〕の高さから落 下衝突させ、棒に衝撃荷重を与えたとすると、この 際棒に生ずる衝撃引張応力σは次式で表される。
荷重 W 〔N〕による棒の伸びを △ls 〔mm〕とする と、次式で表される |
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□ 関連事項 ● 衝撃荷重は受けるはりのたまみ
| 図2のようなスパンl〔mm〕の単純支持ばりに重さW〔N〕のおもり
を h〔mm〕 のの高さから落下させて衝撃を与えたとき、衝撃断面における はりの最大たわみ δmax は次式で表される。 ただし、δは静荷重による荷重断面のたわみであり、はりの断面二次 モ−メント I 〔mm〕、はりの縦弾性係数 E 〔MPa〕 とすると、次式 で表される |
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■■ 例 題 ■■■■ 図3のような上端を固定された直径30mm、長さ2mの丸棒がある。下端から150mm
の高さにある重さ 2kN のおもりを棒に沿って落下させ、棒のした端にあるつばに衝突させ
た。このときに棒に生ずる最大応力を求めよ。また、静荷重
2kN をかける場合と比較せよ。
ただし、棒の縦弾性係数は E
=108×103MPaとする。
| 答 |
| 棒の断面積Aは
したがって、最大応力σは式 (1) より
ここで、この棒に 2kN の静荷重をかける場合に生ずる応力 σs は |
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5−3、柱の座屈と端末係数
柱の座屈と端末係数、最小断面二次半径、細長比; 座屈とは、「柱が、主としてその
の応力でも折損する現象」のことである(図1)
端末係数とは、「柱の端末固定条件を表す係数」のことであり、この値が大きい
ほど、柱は曲がりにくい。
| 最小断面二次半径とは、「柱の断面二次モーメント
のうちの最小のものである最小断面二次モーメント を Imin〔mm4〕、断面積を A〔mm2〕としたときに 次式で表される値」である。 細長比とは、「柱の断面の寸法に対する長さの程度 を表すもの」であり、いま、柱の長さを l〔mm〕と すると、細長比 λ は次式で表される。 |
|
□ かいせつ ● 端末係数、細長比の値
柱を支える端部には、表1のように、自由に移動できる自由端、柱の
軸線の位置で自由に回転できる回転端、移動も回転もできない固定端
があり、これらの端末条件により、端末係数が決まる。
柱は、断面寸法に対する長さにより、短柱,長柱、中間の柱に分類さ
れ、鋼製で両端が回転端の場合、柱の細長比λは、次のような値となる。
(1) 短 柱: 0 < λ < 50
(2) 長 柱: 100 < λ
(3) 中間の柱: 50 < λ < 100
□ 関連事項 ● 座屈長さ
座屈長さ lk とは、「柱の長さ
l〔mm〕
と端末係数 n の平方根との比」
であり、相当長さともよばれ、次式で表される。
(3)
● 相当細長比
相当細長比 λ'とは、「端末係数 n
を考慮した細長比」であり、柱の長
さを l〔mm〕、端末係数を n、断面二次半径を
k〔mm〕
とすると、次式
で表される。
(4)
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柱の強さ; 柱の強さは、「柱が座屈する最小の荷重(座屈荷重)を柱の断面積で割
った座屈強さの値」で表される。この座屈強さを計算する方法はいろいろあり、
柱の長短によって使い分けられる。
| ●オイラ−の式
オイラ−の式は、座屈応力が比例限度以下の場合に成り立つもので、 細長比がおよそ110以上の長柱の場合に適用される。 いま、柱の材料の縦弾性係数を E 〔MPa〕、柱の長さを l 〔mm〕、柱の 断面積を A 〔mm2〕、最小断面二次モ−メントを Imin〔mm4〕、端末係数 |
(1) |
| を n とすると、座屈荷重 W および座屈強さσは、次のオイラ−式か
ら求められる。 |
(2) |
| ●ランキンの式
ランキンの式は、座屈応力が比例限度をこえる場合に成り立つもので、 もはやオイラ−の式を適用できないような短い柱に対して適用される。 |
(3) |
| いま、柱の材料によって決まる定数をσc〔MPa〕、柱の材料による実験
定数をa、柱の断面積をA〔mm2〕,柱の最小断面二次半径をk min〔mm〕 とすると、座屈荷重Wおよび座屈強さσは、次のランキンの式から 求められる(表1) |
(4) |
表1 ランキン式の定数
●ジョンソンの式
圧縮の降伏応力σsを通り、σs/2においてオイラーの座屈応力の曲線
に接するように定めた放物線のうち、σs/2 < σ <
σs の範囲で適用され、
縦弾性係数をE 〔MPa〕、柱の長さをl 〔mm〕、断面二次半径をk
〔mm〕
とすると、座屈応力σは次式で表される。
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(5) |
■■ 例 題 ■■■■
長さ2.5m、直径100mmの硬鋼製円柱の最小断面二次半径と細長比を求めよ。
| 答 |
また、細長比は式(2)より
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5−4、組合せ応力
組合せ応力とは、「物体が同時に二つ以上の外力を受けている時の応力状態」
のことである。一般に組合せ応力は単純応力よりも大きい場合が多いので、部品
の形状や寸法は、この組合せ応力によって決定する必要がある。
1) 主面と主応力、主軸
外力を受けている物体の応力状態は、一般に垂直応力とせん断応力を組み合わせ
て考えなければならないが、せん断応力成分が0で垂直応力のみが働く様な向き
の面が必ずある。この面を主面と言い、その面に働く垂直応力を主応力・その方
向を主軸と言う。 一般に主面は三つあり、互いに直交するので、主応力も三つ
あり、互いに直交する。
(1) 3軸応力状態;3主応力とも0でない場合
(2) 平面応力状態;3主応力の内一つが0である場合(図1)
最大主応力σ1、最小主応力σ2、主応力方向ψn
(1)
(2)
(3)
主せん断応力τ1、τ2 (4)
τ1、τ2の作用する方向は主応力σ1σ2と45°傾いた方向である。 |
|
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(5) |
| 答 |
| 式 (3) より主応力方向は |
| ただし、εx : x 面のx 軸方向の垂直ひずみ εy : y面のy軸方向の垂直ひずみ εz : z面のz軸方向の垂直ひずみ γxy : x面のy軸方向に生ずるせん断ひずみ |
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● 主せん断ひずみ
最大および最小のせん断ひずみのことである。
(7)
γ1,γ2とε1またはε2とのなす角
= 45°
□ 関連事項 ● モールのひずみ円
主ひずみ(χ軸)の方向から任意の角だけ傾いた面の縦ひずみとせん断
ひずみは、ひずみ円の円周上の一点の横縦座標から求められる。ただし,
せん断ひずみは縦座標の2倍であることに注意する必要がある(図2)。
■■ 例 題 ■■■■
直径14mmのJIS4号試験片を用いて軟鋼の引張試験を行った。40kNの荷重を加えた
ときのひずみ状態をモールのひずみ円で示せ。ただし、縦弾性係数
E
= 206 × 103MPa,
ポアソン比1/m = 0.3とする。
したがって、試験片に生ずる応力σ1は また、縦ひずみε1,ε2は |
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