さまざまな分野に使用される機械の材料は、その性質から金属材料と非金属材料とに大別される。金属材料は鉄鋼材料と非鉄金属材料とに、非鉄金属材料は無機質のセラミックと有機質の高分子材料とに分けられる。これらの材料を組み合わせてものは複合材料と呼ばれる。また、使用目的からは、構造材料と機能材料に分けられる。

5−1、鉄 鋼 材 料
炭素鋼; 図1、表1、表2に示す通り、普通 0.03%〜1.7%の炭素を含む鉄を炭素鋼(carbon steel)または単に鋼という。炭素量が多いと硬くもろく、少ないと加工性は良いが軟らかくなる。このように性質は、炭素量に大きく左右される。JISでは、それぞれの鋼の種類によって規格番号があり、さらに材質記号で機械的強度や成分が規定されている。例えば、建築などの一般構造物に使われる圧延材はJISG3101という規格番号で一般構造用圧延鋼材(steel structure)として規定され、その記号SSと最低引張り強度を表す数値と組み合わせて、SS540のように標記され、機械構造用炭素鋼(steelcarbon)は、その略号SCの間に炭素含有量の小数点以下の数値を入れて、例えば炭素が0.40%前後ならS40Cと標記されている。

一般構造用圧延鋼材(SSは、低炭素鋼を熱間圧延で棒鋼、形鋼、鋼板にして、建築、土木、橋梁などの構造物全般に使われる。低炭素鋼にMnなどを添加して溶接性を改善したのが溶接構造用圧延鋼材(SM材)である。船舶、橋梁、大型タンクに使われる。質の高いキルド鋼に主に調質で靭性を高めたのが機械構造用炭素鋼(SC材)である。ボルトや軸類に使われ。キルド鋼の高炭素鋼に焼き入れで硬さと耐摩耗性をもたせたのが炭素工具鋼である。他に
針金に使われる軟鋼線材、ワイヤなどに使われる硬鋼線材、そして冷間で線引き加工することで引張り強度を増したピアノ線材があり、ばね、ワイヤ、弦などに使われている。



鋳鉄・鋳鋼; 鋳造に用いられる鉄鋼材料で炭素を2.14〜6.67%含むものを鋳鉄、2.14%未満のものを鋳鋼という。鋳鉄は、耐熱性、強靭、溶接性に欠けるが、耐摩耗性、切削性、流動性がよく収縮率も低く安価なので広く使われている。一方、鋳鋼の炭素は実用上は0.2〜0.5%で溶接性に優れ、またシリコン、マンガンなどの元素を添加して耐食性、耐熱性を高めて使われる。


可鍛鋳鉄は、靭性、延性をもたせ鍛造に向く粘りのある鋳鉄で、黒心可鍛鋳鉄と白心可鍛鋳鉄とがある。白鋳鉄鋳物をポットとよばれる箱で焼きなましし、セメンタイトを球状黒鉛としたものを黒心可鍛鋳鉄(図2(d))という。白鋳鉄鋳物を酸化鉄などと一緒に約950℃に加熱してから徐冷することで内部は黒鉛に、表面は脱炭してフェライトにしたものが白心可鍛鋳鉄である。ともに破断面の色から名前がついている。 鋳込み時に他の元素(Mg,Ce,Ca)を添加して黒鉛を球状化し機械的性質を向上させた鋳鉄が球状黒鉛鋳鉄で、素地がパー
ライト(図2(e))のものは伸びはないが引張り強度が大きく高力形、フェライトのもんは引張り強度は落ちるが伸びが大きいので高延性形とよばれる。延性があることからダクタイル鋳鉄、小塊状であることからノジュラー鋳鉄ともよばれる。 鋳鋼(cast steel)は、鋳鉄では得られない機械的強度や耐熱性があり、鍛造や圧延では作り難い複雑な形状のものにつかわれる。鋳型に溶綱を注いで固めた後、焼ならしや焼なましの熱処理を行う。大きな部品になると数百トンにもなる。炭素量が抑えられ溶接性があるので、構造材としても使われる。 鋳鋼には炭素鋼鋳鋼と合金鋼鋳鋼とがあり、炭素鋼鋳鋼は炭素量から次の三つに分類される。 実用的には炭素量は0.5%以内で、炭素量が高いほど機械的強度は増す。
JISでは炭素鋼鋳鋼品SC材(steel cast)として、SC 360などと引張り強度で規定されている。
これらの耐食性、耐摩耗性、耐熱性を高めるために、目的に応じてニッケル、クロム、マンガンなどを添加した合金鋼鋳鉄を特殊鋳鋼ともいう。 高マンガン鋼(11〜14%Mn)は切削加工がし難いが、加工硬化性が大きく、靭性が高いので衝撃荷重や摩耗に強いことから、レールクロッシングやポイントなどの鋳造に使われる。
合 金 鋼; 炭素鋼に他の元素を添加したものを合金鋼といい、合金元素の添加により強度、耐熱性などの性質が向上し、構造用、工具用、特殊用途などに使われる。マンガン鋼、クロムモリブデン鋼などの成分元素名や、快削鋼、ステンレス鋼など用途から呼ぶ物とがある。
炭素鋼には鉄と炭素以外に脱炭や脱硫などでマンガン、珪素などが、また不純物としてリン、硫黄が若干含まれる。積極的に第三の元素を1種または数種添加して、炭素鋼の性質改善や、新たな特性を付加したものが合金 鋼(alloy steel)である。 用途により、表1のものがある。

構造物に使われる合金鋼;
高張力鋼はハイテン(high tension steel)とも呼ばれ、一定(490Mpa)以上の引張り強さがあり、溶接性が良く安価で、非調質のものは大型構造物や自動車の軽量化に伴い需要が大きい、調質形は高圧タンク、ボイラなどに使われる。 低炭素鋼にニッケルを数%添加して、低温での脆性に
強いのが低温用鋼で、LNG(液温−162℃)容器などの低温圧力用に使用される。 機械構造用には、クロム、モリブデン、ニッケルなどを1種または数種添加して靭性を高め、引張強さが1000Mpa前後の強靭鋼が使用される。クロム鋼、ニッケルクロム鋼、クロムモリブデン鋼がある。更に
強靭で超強靭鋼と呼ばれるマルエージ鋼は、航空機、圧力容器、ロケットなどに使われる。

工具に使われる合金鋼
合金工具鋼は、炭素鋼にクロムの添加で焼き入れ性を良くし、タングステンやバナジウムで耐摩耗性を高めた合金鋼で、用途により切削用、耐衝撃用、冷間金型用、熱間金型用の四つに分類される(表3)。刃先は、高速度で切削しようとすると500℃を超えるが、このときの焼き戻し軟化の防止に多量のタングステンまたはモリブデンを添加した工具鋼が高速度工具鋼である (表4)。ハイスピードを略してハイスと呼ばれる。

特殊用途に使われる合金鋼
快削鋼(SUM)は、機械構造用鋼の高速切削加工時の被削性を改善したもので、安価な硫黄快削鋼や強度が低下しない良質な鉛快削鋼がある。 ばね鋼は、高炭素鋼に珪素、マンガン、クロム、バナジウムなどの添加で高い弾性限度と耐疲労性をもつ鋼で、熱間成形後の熱処理で強度を高め、車両や大形機器に使われるSi-Mn系、Si−Cr系、Cr-V系や、ばね性能をもたせてから冷間成形でばねにし、その後に低温熱処理をして弁ばね、ゼンマイなどに使うものとがある。軸受鋼は、高炭素鋼にクロムを1%程度添加した高炭素高くロム系が主であり、耐摩耗、耐久性が高いのでベアリングに使われる。他に肌焼き鋼を浸炭した浸炭軸受鋼やジェットエンジン用の耐熱軸受鋼、化学プラント用
の耐食軸受鋼などがある。また、多量のクロムの添加で、高温での耐酸化性を高めたものを耐熱鋼という。他に珪素、ニッケル、マンガンなどが添加される、ボイラ、エンジン、タービンなどに使われ、耐熱温度が1000℃以上のものもある。珪素鋼は、珪素を3%前後添加して透磁率を上げ、磁性材料に使われるので、この板材は 電磁鋼板ともよばれる。
ステンレス鋼;
鉄にクロムを12%以上添加したものをステンレス鋼といい、耐食性に優れている。板、管の材料として、建設、機器、車体、台所用品などに広く使われている。「汚れ(stain)ない(less)」から名前がつけられた。 ステンレス鋼(stainless steel)には、クロムのみを添加したクロム系と、さらにニッケルも加えたクロムニッケル系とがある。JISでは、形状で90種ほどに分類され、ステンレス鋼を表すSUS(steel use stainless)の後ろに鋼種番号をつけて区別している。(表1)

マルテンサイト系ステンレス鋼は、13%以内のクロムを含む。約1000℃の焼き入れと650℃の焼戻しで靭性を高めた、焼入れ硬化を施した鋼である。 クロムが13%程度の13ステンレス鋼が代表的で刃物などの工具鋼の他にアイロン、トースタ、洗面用具などに使われる。クロムを16%以上に高めたのがフェライト系ステンレス鋼である。高温にしてもフェライトのままで変態しないので、熱処理はしない。安価で加工性が良く、応力腐食割れを起こさないのでボイラや熱交換器用などに使われる。クロムとニッケルを添加したオーステナイト系ステンレス鋼は、加工性、耐食性、耐酸化性が増す。これはクロム18%,ニッケル8%が下限で、この組織のものを18-8ステンレス鋼といい、製薬を始めとする化学プラントや厨房に使われる。溶接などによる加熱で600℃前後になると脆化し、粒界腐食を起こしやすくなる。マルテンサイト系の強度とオーステナイト系の耐酸化性を兼ね備えた鋼を PHステンレス鋼という、アルミニウムや銅の添加で微妙な析出物が分散硬化(ひずみ)を生ずる。この時効硬化を特に析出硬化と呼ぶので、析出硬化形ステンレス鋼ともいう。SUS631(17Cr-7Ni-1.1Al)は航空機や化学工業用に使われている。 ステンレスが錆びないのは何故か? クロムを添加した鋼の表面にはクロムと水分が反応し、目に見えない薄膜(含水酸化物)が形成される。この薄膜は化学的に安定で、この状態を不動態(passive state)という。仮に表面に傷がついても空気中の酸素と反応し、薄膜は再生されるので錆びない(図1)。不動態化はクロムが12%を超えると顕著になり、これ以下のものは耐食鋼と呼ぶ。

銅及び銅合金; 銅は化学的に安定だが、二酸化炭素、二酸化硫黄などを含む
湿った空気中で緑青を生じ、海水中でも腐食する。 また電気抵抗が少なく熱伝導率が高いので、構造用には使われないが、タフピッチ銅は導電性、展延性が良いことから電線用に、りん脱酸銅は水素脆性がないので溶接用に、無酸素銅は純度が高いので電子機器用に使われる。 表1は銅合金の例で、銅と亜鉛の合金は黄銅とよばれ、亜鉛が10%程度のものは丹銅という、30%前後のものは塑性加工しやすく、40%以上では脆さ が出る。 冷間加工した黄銅製品は貯蔵中に自然に亀裂を生じることがあり、これを時季割れあるいは置き割れという。これは応力腐食割れで200~400℃の焼きなましで防止される。 目的に応じて黄銅に他の金属を添加した合金を特殊黄銅といい、ネーバル黄銅、高力黄銅は鋳造用に用いられる。 他に被削性を高め快削黄銅がある。 銅とすずの合金は青銅(ブロンズ)という。最も古くからあり、一般的にすずは15%未満である。10%未満のものは特に砲金と呼ばれ耐食性があり、応力腐食にも強いのでバルブや歯車等に使われる。 更に脱酸剤として燐を0.2%程度添加して強度を高めた青銅に燐青銅 があり、バネなどに使われている。 また、青銅の元素成分のすずに代わり他の元素を添加した青銅を特殊青銅という。珪素青銅、アルミニウム青銅は耐食性、加工性が良い。ベリリウムを加え、およそ300℃で時効硬化させると衝撃でも花火が出ない青銅が得られ、ベリリウム青銅といい、安全工具や強力バネに利用される。

アルミニウム及びその合金; アルミニウム(Al)は、地殻に最も多く存在する金属資源である。 軽く、耐食性、伝熱性、導電性、展延性に優れており、板、
棒、管、箔などに多様な形状で利用され、窓枠、反射材、工業用タンク、電線、コンデンサなどに使われる。再生効率が良く回収率が高いことからアルミニウム合金の形で構造材、展伸材として広く利用されている。 アルミニウム材のJISの分類と性質: 展伸用は、アルミニウムを表すAに続く4桁の数字で分類される。1000系は純度99%以上のアルミニウム地金で、その下2桁は小数点以下の純度を表す。例えばA1070の70は99.70%である。 銅やマグネシウムを添加(2000系)すると耐食性は落ちるが熱処理による時効硬化が得られ、高力合金(ジュラルミン)<として航空機や自動車の部材に使われる。マンガンやマグネシウムを添加(3000系、5000系、6000系)すると耐食性が高まる。 鋳造用アルミニウム合金はAC2Aの様にACから始まる鋳物用と、ADC6の様にADCから始まるダイカスト用とに分類される。 鋳物用にはY合金のようにAl-Cu系、シルミンなどのAl-Si系、そしてヒドロナトリウムなどのAl-Mg系がある。ダイカスト用にはADC1(12Si)のように珪素を添加して流動性を高め熱間脆性をなくしたもの、ADC5(6Mg)の様にマグネシウムを添加し、耐食性の物がある。

時効硬化
2000系のアルミニウム合金には、4%の銅を含むものが多い、これに焼入れをするとα個溶体中の銅は析出する間もなく過飽和個溶体になり、時間の経過とともに本来のα個溶体と化合物(CuAl2)の共昌状態になろうとする、このときアルミニウムの結晶は大きく歪み、機械的強度が増大する。このように時間的経過で得られる硬化を時効硬化(age-hardening)という。常温の場合は常温時効<、170℃など常温より高い温度で行うのを人工時効と呼んでいる。 ニッケル及びその合金; ニッケル(Ni)は、軟らかく展延性に富み、塑性加工しやすい、また、海水やアルカリにも強く耐食性があるので、めっき、貨幣、器具などに使われるが、構造用には使われない、ステンレス鋼、耐熱鋼、マンガニンなどの合金成分としての用途が多く、他に熱電対に使われているコンスタンタンのように機能材としても使われる。 ニッケルと銅は溶け易く固溶体を形成する。ニッケル合金は、加工し易く機械的性質、耐食性、鋳造性もよい、銅が24%のものは、モネルメタルといわれ、その強い靭性と耐食性からプロペラ、バルブ、蒸気タービン翼に使われ、また銅が50〜60%のものは、コンスタンタン(商品名)と呼ばれ熱電対に使われている。 ニッケルにクロムを20%以下添加したものをニクロムといい耐酸化性が高く、その電気抵抗値は添加するクロムの量で調節できることから電熱線に用いられている。 このニクロムに鉄を加えたものは安価だが高温で耐久性に劣る。 ニッケルにモリブデンを添加したものにハステロイ(商品名)がある。耐熱、耐食合金として優れ、ガスタービン翼や耐塩基性容器に使われる。 鉄が21.5%のニッケル合金をパーマロイ(商品名)といい、透磁性が高いので磁性材料として使われる。下図にニッケル合金の製品例を示す。

チタン及びチタン合金; チタン(Ti)は、比重4.5、融点1668℃で、熱や電気
の伝導性は低く、線膨張係数も小さい。 また塩酸、硫酸には侵されるが硝酸、エッチング液、海水、アルカリなどには優れた耐薬品性を示す。チタン合金は、結晶系で3種類に分類され、強度が必要な場合には必ずアルミニウムを添加する。 アルミニウムとバナジウムを添加したJIS60種(6Al-4V)はα+β合金で汎用性の高い代表的なチタン合金である。 他に錫を添加して耐熱性を高めたα合金、モリブデン、ジルコニウム、鉄などを添加し固溶強化を増し、時効硬化性が大きいβ合金とがある。 伝熱性が低いので切削など機械加工では、焼き付きを起こしやすく難加工材として敬遠されたが、最近の技術進歩により各種添加材の工夫により軽量、耐熱特性を利用され、以下のような用途が開かれている。 製造コストが高くなるが、ジェット機のタービン翼や熱交換器、エンジンなどの高温にさらされる所に使用される。 また錆びないことに加えて対重量比強度に優れていることを利用して、眼鏡フレーム、ゴルフクラブのヘッド、野球場のドームに使われたり、さらに人体に無毒なので、装身具や人工骨、心臓ペースメーカなどの医療機器にも使われている。
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その他の金属材料; 金属元素は70種ほどある。メッキに使われる亜鉛(Zn)、クロム(Cr),耐食性の良い鉛(Pb),軽量で鋳造用に使われるマグネシウム合金(Mg)、高価であるが耐熱性が良く軽量なベリリウム(Be),ろう付けに使われる半田は鉛合金である。この他にもタンタル(Tn),タングステン(W),>モリブデン(Mo),金(Au),銀(Ag)、白金(Pt)などがある。
5−3、非 金 属 材 料
プラスチック; プラスチックは石油や天然ガスからつくられる合成樹脂のことで、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に分類される。大量生産ができ、軽量、成形性、電気絶縁性、着色性がよい、反面、機械的強度、耐熱性、精
度は劣る。この弱点を改善したものがエンジニアリングプラスチックである。熱可塑性樹脂; シートやパイプに使われるポリ塩化ビニール分子同士の結合を何回も繰り返し長い鎖状になり、これが規則正しくたたまれてブロック状になっている(図1)。このブロックは加熱すると、熱運動でほぐれて
軟らかくなるので熱可塑性樹脂とよばれる。熱には弱いが、押し出し成形や射出成形で加工が容易である。他にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、メタクリル樹脂などがある(表1)。


熱硬化性樹脂; 鍋の柄やソケットなどに使われるベークライト(商品名)は、耐熱性、電気絶縁性に優れ、機械的強度も高い、分類上はフェノール樹脂といい、立体的な網目構造をしている。この網目構造は、加熱して
形成されると再加熱してもほぐれないので熱硬化性樹脂という、耐熱性があり、耐薬品性もよい、ほかに尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などがある。

エンジニアリングプラスチック; 機械的強度が優れ、機械や電気部品、事務機に使われるプラスチックをエンジニアリングプラスチックという。ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、飽和ポリエステル、変性ポリフェニレンオキシドが代表的なもので、ガラス繊維、炭素繊維などの補強材を入れて強度を増したり、ヱラストマを加えることで耐衝撃性を高めたりして用いられている。
(ゴムとゴム製品)
汎用ゴムと特殊ゴム; 汎用ゴムはタイヤ、ベルト、履き物に大量に使われ、天然ゴム(NR)や,天然ゴムに構造が似たイソプレピレンゴム、他にブタジェンゴム(BR)、スチレンブタジェンゴム(SBR)がある。特殊ゴムの例を下表に示す。 天然ゴムに硫黄を添加して加熱すると、変形、劣化を防ぐことができ、この作業を加硫という。 また、ゴムは弾性限界が非常に大きく少ない力で大きな変形を期待できる。また使っているうちに硬くなったり、べとついたり、表面にひびが入りゴムの性質が悪くなる、これをゴムの劣化という。

◎ゴムの構造
天然ゴムの原料は、図1にあるように、イソプレンという分子が4000以上繰り返し結合して長いひも状になった高分子物質である。

金属材料のうち特に鉄鋼は、過熱や過熱後の冷却の仕方で性質を自由に調整、改良できる。これを熱処理という。焼入れ、焼戻し、焼きなまし、焼きならしの他に、表面硬化熱処理や加工熱処理法がある。
□かいせつ ◎鋼の一般的熱処理法(温度は図1を参照)焼入れ オーステナイトを急冷することを焼き入れ(quenching)といい、組織はマルテンサイト変態 通状の変態をせずに硬いマルテンサイトになる。この変態をマルテンサイト変態とよぶ。もろいので、通常はこのままでは使用しない。焼戻し 焼入れ後にA1変態温度以下に再加熱して冷却するのが焼戻し(tempering)である。焼入れと対で行う操作である。
@ 過共析鋼に低温焼戻し(100〜200℃)をすると硬さを失わずに残留応力によるひずみを除ける。刃物、ゲージなどに使われる。
A 亜共析鋼に高温焼戻し(450〜550℃)をすると強さをあまり減少させることなく勒性(伸び、絞り)を高められる。構造用鋼に使わ調 質 れる。焼入れとこの高温焼戻しとの組合せを調質とよぶ。焼なまし 一定温度に加熱保持してから除冷するのが焼なまし(annealing)である。 @ 焼入れと同温度で行い炉冷するのが完全焼なましで、組織が均一化し、加工性を回復し被削性も改善される。共析鋼に効果がある。 A 中間焼なまし(再結晶温度〜A1)は、軟化するので加工性が回復する。 B 応力除去焼なまし(500〜600℃は、鋳造品のひずみを取り除く。

焼ならし 焼入れ温度から空冷する焼なましを、特に焼ならし(normalizing)という。過剰加熱や鋳造で粗大化した結晶粒を正常にして鋼を強化する。表面強化熱処理 熱処理で表面だけ組成や組織の変化を行うことで内部の勒性を保ったまま、耐磨耗性や耐食性を向上させることを表面硬化熱処理という。浸炭、窒化、高周波熱入れなどがある。歯車、軸受、ピストンに使う。
ガス浸炭 @ ガス浸炭:1000℃前後にした低炭素鋼に炭化水素ガスを送り込むと、ガスの炭素成分がγ固溶体に浸透し表皮だけが高炭素鋼とな浸 炭る(図2)、これを浸炭という。焼入れで硬化させる。この一連の操作を肌焼きという。
A 窒化:500℃程度の中炭素鋼にアンモニアガスを送り込むと、表<皮に硬い鉄の窒化物ができる。肌焼きが不要で、耐食性も向上する。類似のものに、溶融塩に浸して行う軟窒化がある。
B 高周波焼入れ:高周波(数十kHz)の電磁誘導で生ずる渦電流は金属の表面に集まる(図3)。この電流のジュール熱で表皮が加熱される。なお、焼入れ使用周波数と焼入れ深さは逆比例する。
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加工熱処理法 (thermo mechamical treatment) 熱間で鍛造や圧延などの加工をし、余熱で焼入れも行うのをオースフォーミングといい高力鋼が得られる。このように、加工と熱処理を組み合わせた方法をいう。< □関連事項 ◎熱処理で留意する点
@ 250〜450℃での焼戻しは炭素含有量に無関係に衝撃強さが異常に減少する。これを低温焼戻し脆性といい、この温度域は避ける。
A 高窒素鋼はマルテンサイト変態の終了温度が室温以下であり、このままでは時間とともに変態が進み、脆化したり寸法が狂う。このため液体窒素やドライアイスなどで零下にして変態を終了させる。深冷処理 これを深冷処理(sub-zero cooling)という。室温に戻すには見ずなどを使う。
B 焼入れで得られる硬さは、鋼の炭素量で決まるが、その深さは鋼焼入れ性 種や形状などに影響される。この焼きの入りやすさを焼入れ性という。
(1)合金鋼は炭素鋼に比べ焼きが入りやすく焼入れ性がよい。
(2)同じ鋼でも、大きいものは肉の厚い分だけ中心部の冷却速度は遅く、焼入れの不充分な部分の割合が多くなる。このように大きさに質量効果よる影響を質量効果とよぶ。炭素鋼は質量効果が大きい。
(3)大きさが同じでも、その形により焼きの入り方は異なる。球は坂に比べ焼入れ性はよく、およそ2倍であり、丸棒のような円柱は両形状効果者の中間である。この形状による違いを形状効果という。また、図4に平面の焼入れ性を1としたときの他の場所の焼きの入りやすさを示した。平面に比べ突き出ているところはよく、入り込んでいるところが悪いのがわかる。
